いつも空が見えている

日常

熊本に帰ってきた理由は多々ある。

ただそれらのほとんどは言い訳で、要は東京という競争社会に負けたのだ。

首都圏はいい。

なんでもできる。なんでもある。

でもそこには必ず多くの競争がある。それに飲み込まれた時、勝てれば東京はオアシスで、負ければ地獄になる。

そして地獄となった。逃げるように帰った。

だから地元のいいところを探す。

ここにいる言い訳を探す。

= = =

あぁ、そうだ。

ひとつだけここの好きなところがある。

空だ。

熊本の中心。最も栄えているところでも、そこには視界に収まらないほどの空がある。

帰宅の途。日が沈んだ瞬間の空。

疲れとかモヤモヤとか悲しさとか何もかもを、すーっと吸い取ってくれるような空がここにはある。

今からでも遅くないだろうか?

また競争に飛び込んで、今度は勝てるだろうか?

私はまた東京を目指している。

熊本の空に教えてもらったから。

上を向くことを…。

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